「最近、以前のように頭が回らない」
「責任ある立場なのに成果が出しづらい」
読者の皆様もそんな変化を感じる管理職女性のおひとりでしょうか?本記事では、更年期が仕事へ与える影響と、企業・個人双方に必要な対策を2,000名以上の更年期患者様を担当してきた伊沢医師監修のもと、解説致します。
更年期による不調は多くの働く女性が経験
更年期は閉経前後約10年間(おおよそ45歳前後〜55歳前後)を指し、女性ホルモンの変動により、ホットフラッシュ、不眠、疲労感、集中力低下、物忘れ、イライラ、気分の落ち込みなどが現れることがあります。
これは能力低下ではなく、身体の変化による症状です。
厚生労働省が2022年末に実施した「更年期症状・障害に関する意識調査」では、約8割の女性が更年期症状を経験する一方で、40代女性の28.3%、50代女性の38.3%は「更年期障害の可能性がある」と自覚しています。
つまり働く女性の約3〜4人に1人以上の割合です。
しかし、そのうちの約8割は受診せずに働き続けていることが調査で明らかになっています。

【引用】2022年厚生労働省「更年期症状•障害に関する意識調査」より
女性管理職ほど更年期の症状を感じやすい?
結論からお話すると、女性管理職ほど更年期の症状があるというデータはありません。
しかし、管理職には意思決定、部下育成、対外折衝など心理的ストレスや責任の重さ、更にそれによる睡眠不足や長時間労働が更年期の症状を引き起こしたり、症状を悪化させる可能性があります。

FemCaree監修医/ 女性内科専門 伊沢医師コメント
更年期の不調は、本人の能力や意欲の低下ではなく、女性ホルモンの変動に伴って生じる心身の変化です。責任ある立場の方ほど症状を我慢し、受診が遅れがちですが、早めに婦人科へ相談することで、ご自身に合った治療や対処法を見つけ、仕事を続けながら症状の軽減を目指せる場合があります。
更年期と向き合う5つの対策
更年期は誰にでも起こり得るライフステージの一つです。
しかし、症状の現れ方や程度には個人差があり、「これくらいなら我慢しよう」と無理を重ねてしまう人も少なくありません。
特に管理職や経営者は、責任感から自分の不調を後回しにしがちです。しかし、更年期は気合いや根性で乗り越えるものではなく、正しい知識を持ち、適切な対処をすることで症状の軽減や仕事との両立につながることが期待できます。
ここでは、更年期と上手に付き合いながら、キャリアを継続するために実践したい5つのポイントをご紹介します。
① 更年期について正しい知識を身につける

更年期は「年齢のせい」「気の持ちよう」と誤解されることもありますが、女性ホルモン(エストロゲン)の変動によって起こる身体の変化です。
ホットフラッシュや発汗といった身体症状だけでなく、集中力の低下や疲労感、不眠、気分の落ち込みなど、仕事に影響を及ぼす症状が現れることもあります。
自分の不調を正しく理解することで、「自分だけがおかしい」と必要以上に自分を責めることなく、適切な対処につなげやすくなります。
② 睡眠・食事・運動など生活習慣を見直す

更年期の症状は、生活習慣によっても影響を受けます。
十分な睡眠を確保することはもちろん、栄養バランスの取れた食事や適度な運動は、自律神経を整え、疲労感やストレスの軽減につながるとされています。
忙しい管理職ほど、自分のことは後回しになりがちですが、健康は仕事のパフォーマンスを支える大切な土台です。まずは無理のない範囲で生活リズムを整えることから始めてみましょう。
③ 一人で抱え込まず、婦人科などの専門医に相談する

更年期症状にはホルモン補充療法(HRT)や漢方薬など、一人ひとりの症状に合わせた治療法があります。
症状が仕事や日常生活に影響していると感じたら、一人で抱え込まず、更年期を専門とする婦人科や医療機関へ相談することも大切な選択肢です。
④ 信頼できる人や職場とコミュニケーションを取る

管理職は「弱音を吐けない」「迷惑をかけたくない」と考え、不調を一人で抱え込みやすい傾向があります。
しかし、必要に応じて上司や人事、信頼できる同僚に相談することで、業務の進め方や働き方について配慮を受けられる場合もあります。
また、家族や同じ立場の女性と経験を共有することで、不安が軽減されることもあります。更年期を一人で乗り越えようとせず、周囲のサポートを活用することも重要です。
⑤ 「個人の問題」にせず、企業の支援制度を活用する

近年では、更年期セミナーや女性の健康相談窓口、健康経営の取り組みなど、女性特有の健康課題を支援する企業も増えています。 こうした制度がある場合は積極的に活用し、制度が十分でない場合には、企業側が更年期への理解を深め、相談しやすい職場環境を整えることが重要です。
まとめ
「一人で頑張り続ける」ことだけが正解ではありません。
管理職や経営者という立場にある女性ほど、「自分が頑張らなければ」「周りに迷惑をかけられない」と、不調を一人で抱え込んでしまいがちです。
もし、仕事中の集中力の低下や疲れやすさ、気分の落ち込み、眠れない日が続くなど、「いつもと違う」と感じることがあれば、そのサインを見過ごさないでください。
「このくらいで病院に行くのは大げさかもしれない」
「まだ我慢できるから大丈夫」
そう思ってしまう方も少なくありませんが、婦人科や更年期外来は、症状が重くなってからではなく、少しでも気になることがあれば相談してよい場所です。
更年期症状の治療には、一人ひとりの症状に合わせた選択肢が多くあります。早めに相談することで、仕事や日常生活への影響を軽減できるケースも少なくありません。
また、医療機関だけでなく、信頼できる上司や同僚、人事担当者、家族など、周囲に相談することも大切です。
一人で抱え込まず、必要なときには医療や周囲の力を借りながら、自分らしい働き方を続けていく。その積み重ねが、女性一人ひとりのキャリアを守り、企業にとっても持続的な成長につながっていくはずです。

FemCareeは女性内科医とキャリアコンサルタントという医療とキャリアの専門家がタッグを組み、結婚・出産・更年期などライフステージの変化を迎えても、自分らしく挑戦し続けたい女性を応援するメディアです。







